手すりの重要性
〜“つかまる”だけで、暮らしが変わる〜
介護が必要になったとき、「立ち上がるのがつらい」「階段が怖い」「トイレでふらつく」といった不安が出てくることがあります。
そんなときに、最も身近で頼りになるのが「手すり」です。
手すりは、ただ“つかまる”ための道具ではありません。
それは、転倒を防ぎ、自立を支え、安心を届ける“暮らしのパートナー”です。
手すりの役割とは?
手すりは、身体のバランスを保ち、動作を安定させるための支えです。
特に高齢者や足腰に不安のある方にとっては、日常の動作を安全に行うために欠かせない存在です。
以下のような場面で、手すりは大きな力を発揮します:
- 立ち上がりや座り込みの補助
- 階段や段差の昇降時の安定
- トイレや浴室での転倒予防
- 廊下や玄関での歩行支援
なぜ重要なのか?
高齢者の家庭内事故の多くは「転倒」が原因です。
特に浴室や階段、玄関などは、滑りやすく不安定な場所。
手すりがあることで、動作に“予測”と“準備”が生まれ、事故のリスクを大きく減らすことができます。
また、手すりがあることで「自分でできる」という自信が生まれ、介助への依存を減らすことにもつながります。
これは、身体的な安全だけでなく、精神的な安心にもつながる大切な効果です。
設置のポイント
手すりは、ただ取り付ければ良いというものではありません。
使う方の身体状況や動作のクセ、生活環境に合わせて設置することが重要です。
- 高さ:握りやすい位置にあるか(一般的には床から75〜85cm程度)
- 形状:丸型・楕円型・L字型など、握りやすさや動作に合った形か
- 素材:滑りにくく、冷たさを感じにくいものが理想
- 設置場所:トイレ・浴室・階段・玄関など、動作の切り替えが多い場所に
また、介護保険の「住宅改修制度」を使えば、手すりの設置費用の一部が支給される場合もあります。
事前申請が必要ですので、ケアマネジャーや事業所にご相談ください。
「手すりがあるだけで、トイレまで歩けるようになった」
「階段の上り下りが怖くなくなった」
そんな声を、私たちはたくさん聞いてきました。
手すりは、ほんの少しの工夫で、暮らしの安心と自信を支えてくれる道具です。
ご本人の希望や生活スタイルに合わせて、無理のない設置を一緒に考えていきましょう。
手すりは、“つかまる”だけでなく、“支える”道具です。
その支えがあることで、日々の動作が安全になり、暮らしに安心が生まれます。
「どこに手すりをつければいいのかな?」「費用はどれくらい?」と迷ったときは、どうぞお気軽にご相談ください。
私たちと一緒に、安心できる住まいづくりを始めましょう。